ジェイムズ・P・ホーガン「巨人たちの星」

巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))

研究室の先輩からの借り物。シリーズ第３作。シリーズものとして順当に前作の謎に答え、あらたに謎を残す展開。
事前に聞いていたように、シリーズごとに毛色が違う。今回は一般的なSFっぽい（あまりSFを読んだことがないので一般的と判ずるには多少抵抗があるが、前作、前々作に比べて）。
個人的には、元凶・悪を一箇所に求めるストーリー部分に不満。僕が勧善懲悪が嫌いなだけかもしれないけど。
国の対立の構図や女性の描写・扱いなどは古臭いよなあ。米ソは書かれた時代からいって、しょうがないのか。前までは政治的な内容が薄かったからなおさら。
文句もあるけど、後半の敵と対決する場面は面白い。ただ、この作家に期待したものとは微妙に違う。１作目が頭に残っていて、同じようなものを期待してしまう。
僕は、やはり第１作が好きだ。推論をうんぬんする様子が好み。ミステリ好きの性か、たんにSFではつまらない。

いいかげん主人公変えてもいいんじゃないか。固執するほど個性があるわけじゃないし、同じ人ばかり活躍するのはストーリ上無理が出てないか。科学者が活躍するのはまあいいけど、秘書が意見言い過ぎ。どんな秘書だよ。