ジェフリー・A.ランディス「火星縦断」

火星縦断 (ハヤカワ文庫SF)

火星縦断 (ハヤカワ文庫SF)

同じ研究室のN氏からの借り物
本の紹介をアマゾンから引用。

2028年、第三次有人火星探査隊は赤い惑星に降り立った。だが、彼らのミッションは重大な欠陥を孕んでいた。着陸早々、帰還船に事故が発生。隊員の一人が命を落とし、燃料も失われてしまう。いまや、地球への帰還が最優先事項となった彼らは、新たな帰還船を求めて火星縦断の旅に乗りだした!NASAの現役研究者である作者が、最新のデータを駆使してリアルな火星を構築。極限状態でのサバイバルを描いた傑作ハードSF。

という内容。
この本の妙はとにかくリアルなところ。
火星の風景、機器の描写などなど。
装備の耐久性による事故などはいちいち細かいなと感じる。
リアリティがあるぶん、派手さはない。
好みの問題だけど不満が二点ほど。
大きな展開や驚きかけることがまず一点。
僕はリアルも大事だけどそれに立脚して大法螺を吹いてくれるものが好きなので、たんたんとし過ぎている印象を受けた。
もうひとつは、小説が長く感じられたこと。たんたんとしているから余計そう思ったのかもしれないが、もっとコンパクトにはできなかったものか。
特にそう感じたのは登場人物の過去の描写。サバイバルの緊張感が減じてしまうのでばっさり切ってしまってもいいんじゃないかなあ。